求人情報に書かれている休日について正しく理解していますか?
- 働き始めたら休みが全然とれなかった!
- 夏季休暇がもらえなかった…
- 6連勤が続くのはイヤ!!
これでは働くモチベーションがグッと下がってしまいますよね!
ここでは現役保育士の私が求人内容に書かれた休日数の落とし穴を解説します。そして、求人情報から具体的にどれくらい休めるのかを予想します。
休みの取り方がリアルにイメージできるので、合わない保育園に就職してしまう失敗が避けられます。
休日情報を正しく読んで、希望の生活スタイルが守れる保育園を選びましょう。
保育士は年間どれくらい休めるのか
1年間の土曜日の日数は52日間です。日曜日も同じく52日間。
土日を合計すると104日間になります。
※祝日は年間約15日で※※年末年始休暇が約4日と考えると
土日・祝日・年末年始全て休むと休日日数は1年間で合計123日です。
※祝日数は曜日の影響で年度ごとに違います。
※※12月30日~1月3日までを休暇とした場合。1月1日は祝日に加算。
ここに夏季休暇は入っていません。
そして、忘れていけないのは「一般的な保育園では土曜保育を実施している」ということです。
土曜出勤を計算に入れることで休み方は変わってきます。
年間休日日数からみる休み方

年間休日数として求人情報でよく見かける休日数から、どんな休み方をしているのか具体的にシミュレーションしてみましょう。
【シミュレーションする保育園のタイプ】
- 日曜祝日が休園
- 年末年始休業が12月30日~1月3日
- 土曜保育あり
【令和4年度の年間休業日】
- 日曜日…52日間
- 祝日…15日間
- 年末年始4日
合計…71日間
では、求人票でよく見る年間休日数に沿って保育園の休み方を見ていきましょう。
1. 年間休日数108日の保育園の場合
年間休日数108日から保育園休業日数71日を引いた37日が営業日にお休みできる日数です。
土曜保育を37日間お休みすると考えると
年間土曜日数52日-土曜休み37日=15日間/年が土曜出勤
上記のことから1年間全体の休み方を予想すると…。
【年間休日数108日の保育園の予想】
- 月に1~2日の土曜出勤があり、平日への振休は無い
- 日曜祝日と年末年始は休めるが夏季休暇は無い、または土曜出勤を増やして夏季休暇にあてている
ちょっとキツイ働き方になりそうですね。
2. 年間休日数120日の保育園の場合
年間120日から保育園休業日数71日を引いた49日が営業日にお休みできる日数です。
土曜保育を49日間お休みすると考えると
年間土曜日数52日-土曜休み49日=3日間/年が土曜出勤
上記のことから1年間全体の休み方を予想すると…。
【年間休日日数120日の保育園の予想】
- 年間3日間の土曜出勤には平日の振休は無い(行事による土曜出勤の可能性あり)
- 通常の土曜出勤は平日に振休あり
- 夏季休暇は無いまたは振休のない土曜出勤日を増やして夏季休暇にあてる
ただし、年間休日数が120日でも、【土曜出勤の振休あり、夏季休暇3日】と記載されている求人票もあります。
あいまいな場合は具体的な休み方については直接確認することが必要です。
3. 年間休日数127日の保育園の場合
年間127日から保育園休業日71日を引いた56日が営業日にお休みできる日数です。
このことから1年間全体の休み方を予想すると…。
【年間休日数127日の保育園の予想】
- 土曜出勤があっても平日に振休がもらえる
- 夏季休暇があり、3、4日もらえる可能性が高い
なんとなく見ている年間休日数ですが、働き方にこれだけ差が出ます。

土曜出勤をしたら平日に必ず振休がもらえる園と、もらえない園があるということですね。
土曜出勤に振休が設けられていないということは、祝日のない週に土曜出勤すると6連勤になってしまいます。
土曜出勤の振休は正社員だけに付与されていて、パートには付与されない保育園もあるのです。
※ あくまで予想であって、園の考え方によって思ったより休める、休めないという違いはあります。
『週休2日』と『完全週休2日』の違い
年間休日数のほかに『週休2日制』と『完全週休2日制』という情報が記載されていることがあります。この2つが全然違うものだということを知っているでしょうか。
週休2日制とは
1カ月のうち週2日休める週が月に1回以上あるという意味です。
つまり、1か月のうち週5日勤務の週が1週、あとはすべて6連勤だとしても「週休2日制」なのです。
完全週休2日制とは
1週間に2日必ず休みがある勤務、つまり週5日勤務になります。
ただし祝日がある場合は祝日に休む分を土曜出勤することで週2日の休日を保ちます。
労働基準法で保障されているのは週に1日の休み、または4週間で4日以上の休みです。(労働基準法第35条)
そして週の労働時間は40時間を超えてはいけない(36協定)といえども、変形労働時間制を導入している保育園では1か月内で平均週間労働時間が40時間を超えなければOKとなります。
だから祝日のある月は無理なシフトが組まれやすくなるのです。

5月の祝日分を月の後半で全部土曜出勤にされた人もいたんですよ…。
このように保育園が設定している週休制度には落とし穴があります。同じ内容でも園の方針次第で休み方を大きく変えられるのです。
保育士不足がすすむと余計に土曜出勤に振休がもらえなくなるので、さらに人が辞めていく…。
こんな場合があるので、契約前にしっかり確認しておきましょう。

夏季休暇はどれくらいもらえるか

夏季休暇は保育園によって差が大きく、保育業界として何日もらえるとひとくちには言えません。
5日間も夏季休暇がもらえる園もあるようですが、私の身近なところでは正社員は3日、パートは1日または0日というパターンがほとんどでした。
保育士が夏季休暇を取りにくいのには3つの理由があります。
【保育士が夏季休暇を取りにくい3つの理由】
- 子どもの人数が減る時期がお盆に集中しがち
- 子どもが夏休みになる予定がなかなか出てこなくてシフトが作りにくい
- 保育士の人数を確保するのが難しい
保育士の人数は登園する子どもの人数に合わせて確保しなければなりません。
そのため職員同士が重なって休みを取るのは難しく、分散するにも子どもの人数が減る保証がないから多めに配置することになるのです。
採用面接では聞きづらいかもしれませんが、夏休みに家族との時間を過ごす予定の人は夏季休暇についてしっかり聞いておきたいですね。
こんなはずじゃなかった…となる前にできること
1年間の休み方について、求人票から予想出来ることは分かりました。しかし、保育園の解釈によって休みの取り方は大きく変わってきます。
公立は自治体のルールに準じているところがほとんどですが、私立は独自の就業規則があり、独自の解釈で押し切る園もあります。

休日の取得については質問しにくいかもしれませんが、契約前に必ず確認しましょうね。
【契約前に確認しておきたい5つのポイント】
- 土曜出勤は月に何日あるのか
- 土曜出勤に振休はあるのか
- 祝日の多い月の土曜出勤はどうなるか
- 夏季休暇はあるのか・何日もらえるのか
- 夏に連続休暇は取れるのか
まとめ
休みがとりにくいと言われる保育園の仕事。
子どもの人数に合わせて保育士を確保しなければいけませんし、保育士の人数が足りていない保育園がほとんどなのでどうしても休みにくくなりますよね。
求人票から予想する休み方は次の通りでした。
求人票の休日情報からみる休み方の予想
【年間休日日数108日の保育園の予想】
- 月に1~2日の土曜出勤があり、平日への振休は無い
- 日曜祝日と年末年始は休めるが夏季休暇は無い、または土曜出勤を増やして夏季休暇に充てている
【年間休日日数120日の保育園の予想】
- 振休のない土曜出勤が年間3日間(行事による土曜出勤の可能性あり)
- 通常の土曜出勤は平日に振休あり
- 夏季休暇は無い、または振休のない土曜出勤日を増やして夏季休暇にあてる
【年間休日日数127日の保育園の予想】
- 土曜出勤があっても平日に振休がもらえる
- 夏季休暇があり、3、4日もらえる可能性が高い
保育園によって規則の解釈が違うので上記の予想より休めない場合、逆に休みやすい場合もあります。
『週休2日制』と『完全週休2日制』の違い
『週休2日制』…1カ月のうち週2日休みが月に1回以上ある
『完全週休2日制』…1週間に2日必ず休みがある勤務
就職してから苦しまないために、必ず事前の調査と確認をしましょう。あなたに合った働き方の出来る保育園を見つけてくださいね!
コメント