「保育園を辞める!」
そう心に決めたあなたにとって、一番の難関は保育園に退職の意思を伝えることではないでしょうか。
特に人間関係が原因で辞めるときは悩んでしまいますね。
いつ頃どんな退職理由で希望を伝えたらいいかを吟味して、しっかり事前準備をしましょう!
人間関係で退職する時の理由は?

保育士が退職した理由のトップ3は
- 人間関係
- 勤務時間が長い
- 家庭の事情
です。(令和2年厚生労働省しらべ)
しかし人間関係が理由で退職した保育士も、みんなが本当のことを言って辞めたわけではありません。
「人間関係に耐えられません……。」
そう言ってしまえたらスッキリするかもしれません。でもストレートに言ってしまうと、職場での人間関係は今まで以上に辛くなってしまいます。
そんなことを避けるため、人間関係で退職する時でもストレートに本当の理由を言うのはやめましょう。
では何と言えばいいのか?
あからさまな嘘ではなく、他の理由に置き換えて考えるといいですよ。
健康上の理由
腰や膝などを患っているなど、体に不調があるなら体に負担のかからない仕事に転職したいという理由が使えます。
病院で相談をして診断書を書いてもらうと確実です。
人によっては人間関係に疲弊して心が疲れてしまっている人は心療内科に行ってみましょう。
病院に行くほどでもないかな?と思っても、診察を受けて自分の現状を見つめる機会になります。
退職したい背景を話して診断書を書いてもらうこといいですね。
病院によって考え方が違うので、もし診断書を書いてもらえなかったら他の病院に相談しましょう。
ただし、あきらかな嘘はいけません!
あくまでも本当に調子の悪い部分について相談するようにしましょう。
家族の事情
稼業を手伝う、家族の転勤などはっきりした理由があれば問題ないでしょう。
そのような理由が無いなら、育児や介護に専念したいという理由がおすすめです。
家族に協力してもらって、家族の希望ですと伝えるのもOK。
自分の意思だけでなく、家族の希望と言う方が話が通りやすくなります。
ただし時短や扶養内など労働条件の変更を提案されることもあります。
強い意志で言い切る覚悟が必要な退職理由です。
新しいチャレンジがしたい
今のままでは経験できない仕事にチャレンジしたいという希望も退職理由になります。
チャレンジの内容は次のようなものがあります。
私が公立保育所を辞めたときは、「一度保育の現場から離れて違う仕事をしたい」と言いました。
永年腰を痛めていたこと、以上児保育に悩んでいたことに人間関係が重なって辞めようと決めたときです。
もちろん、人間関係については話しませんでした!
退職の時期はいつがいい?
保育園にとって、退職するのに一番いい時期は年度末の3月です。
保育士の補充がしやすく、進級のタイミングでクラス担任を組みなおすことが出来ますね。
しかし辞めたいという気持ちが固まったとき、あなたにはもう限界がきているのではありませんか?
もう耐えられない人
労働基準法では、私たちに退職の自由が保証されています。
あなたがもう「限界」と思ったなら、自身が壊れてしまう前に辞めましょう。あなたには辞める権利があるのです。
年度の途中で退職したっていいんです!
いくらか耐えられる人
もう少し頑張れそう。
そう思えるなら年度末で退職しましょう。
人員の補充がしやすい年度末の方が、保育園も周りの保育士も助かります。
10月から12月頃に面談のある園が多いのではないでしょうか?
そのタイミングでなら退職の希望を切り出しやすいですね。
退職の意思を伝えるのはいつ?
退職希望の1か月前でいいのか、3か月以上前でなければいけないのか?
まずはお勤めの保育園で就業規則や服務規程などで定められている内容を確認しましょう。
退職したいとき、いつまでに伝えなければいけないのかは保育園によってさまざまです。保育園の場合は長めの期間を規定しているところが多く、3か月前や5カ月前などとなっています。
ただし保育園の規定より法律の方が優先されます。
保育園の服務規程では
保育園の服務規程(就業規則、勤務規則など)には、退職願の提出について条項が定められています。
基本的には保育園で規定されている期限より前に退職願を提出することになります。
私の辞めたブラック保育園では特別な場合を除いて退職日は3月31日と定められ、150日前までに退職願を提出しなければなりませんでした。
揉めるくらいなら保育園の服務規程の通りに退職手続きを進める、と言う考えもあります。
でも退職願を出してから5カ月も耐えるなんて辛いですよね…。
法律では
保育園の規定より優先されるのが国の法律です。
無期雇用の場合、民法627条では退職の意思を伝えてから14日後に退職できると規定されています。有期雇用(パートなど)の場合は「やむを得ない事由」があればOKです。
法律に関することは捉え方で変わってくることがあるので、不安な時は全国にある総合労働相談コーナーで相談することをお勧めします。
労働について詳しい専門家の話が聞けると、とっても心強いですよ!
厚生労働省「総合労働相談コーナーのご案内」は予約不要、無料で相談できます。
私もブラック保育園(私立)を退職する時に相談して、詳しいアドバイスに勇気をもらいました。
退職の希望を受け入れてもらえなかったとき

どこの保育園でも保育士不足が問題になっている今、引き止められる可能性は高いでしょう。うまく言いくるめられて退職できないかもしれない…、という不安はありますよね。
自分本位で考える
退職の希望を受け入れてもらえなくて困っている時、大事なのは自分本位で考えるということです。
周りに迷惑がかかると責められるかもしれませんが、あなたは悪くありません。園長が職員の働きやすい環境を作れなかった結果、傷ついたあなたがいるのです。
考え抜いて退職を決めたなら、自分のことを第一に考えていい。身体や心を壊してまで続ける責任はないのです。
退職の意思を伝えたときのシミュレーションをしておく
もし言いくるめられそうで心配なら、退職の意思を伝えたときの展開をミュレーションしておくといいです。
退職理由を伝えたら何と言われるか、どう展開されるのか?
信頼できる人に相談して一緒に考えてもらうと、自分では気づかなかった案が出てきますよ。
退職代行に頼む
退職希望を伝えても退職を認めない保育園は実際にありますね。そんなときは『退職代行』を頼むという方法もあります。
法的に労働者は退職の自由も保証されています。
利用するなら弁護士のいる退職代行がおすすめ。弁護士事務所の弁護士に直接頼む方法もありますが、弁護士に依頼すると手付金だけで10万円ほどかかってしまいます。退職代行なら相場が3万円前後~です。
退職代行を頼むなんて世間的にどうなの?と思うかもしれませんが、そこまで追い込まれている保育士がたくさんいるのも事実です。怖くてどうしても辞めると言えない、二度と職場に行きたくない、と言うときも退職代行はおすすめです。
退職が決まったあとの仕事が辛いとき
辞めることが決まると周りの態度が冷たくなって、仕事がより辛くなるときがあります。
退職が決まった人に対して周りがつらく当たるのは
こんな理由でイジワルになっているのです。周りに冷たい態度をとられたり嫌味を言われたりして嫌なことが増えるかもしれません。
そんなときは気持ちを他へ向けてください。
それでも、どうしても耐えられない…。そんな時は退職時期を前倒しにして辞めるのもアリだと思います。
そのときはどうしたら辞められるか、労働に詳しい専門家に相談しましょう。自分に不利にならないよう、正当な方法で辞める方法を教えてくれます。
まとめ
保育園は人間関係に悩んでいる保育士がたくさんいます。
辞めると言い出せない、何と言っていいのか分からない人も多いのではないでしょうか。
人間関係が原因で辞めたいときはストレートに本当の理由を言ってはいけません。
代わりになる理由を吟味して、しっかり準備をしておきましょう。
勇気を出して辞めると言っても上手くいかないときは、専門家の助けを借りればいいんです。
今の辛い環境から抜け出して、あなたが新しい人生をスタートできるよう祈っています。
社会保険に加入していた保育士さんが退職したあとにに必要な手続きはこちらです!
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